・槍ヶ岳(3180m) 2002年8月1日〜4日
| 三日目 槍ヶ岳〜新穂高温泉 (総行程11時間40分) ・快晴・・・山は涼しい |
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![]() 太陽が大天井の南に顔を出した | 午前3時に起床、天候が気になる。談話室へ行 き窓から外を見た。星が綺麗だ、晴れている。寝 袋の亀洞リーダーがムクッと起きた。「天気いい ッスか?」と言ったかどうかはっきり覚えていな いが、そんな感じだった。 全員起きだして玄関 の上がりまでザックを移動。そこは、槍の穂先で 日の出を見ようと出かける人などでごった返して いる。そんな中で構わず銘々が朝食用の弁当を遣 う。 カッパの上下を着込み外へ出るとダークブルー の空一面に星がきらめいている。風が少しあり、 思ったより寒さを感じる。東側正面には常念岳を 中心に、右に蝶ヶ岳、左に横通岳、大天井岳がは っきりとしたシルエットを見せている。特に真中 の常念岳はピラミダルな稜線がなんとも言いがた いほど美しい。槍の穂の壁にはびっしりと蛍(ク ライマーのライトが蛍のように見える)が張り付 いており、穂先にも既にいっぱいの人影が見える 山の端が少しづつ明るくなってゆき、茜色に染 まって来るといよいよ日の出だ。大天井岳の南側、 午前4時56分、想像以上に早い速度でどんどん 上がってくる。あちらこちらでカメラのストロボ が光る、向こうの山でも光っているのが確認でき た。 |
![]() 朝日を浴びて輝く、槍ヶ岳山荘と槍の穂先 |
日が昇りきると周りの山々に色彩が戻ってきた。後 ろ(西)をふり返れば笠ヶ岳が雲海の中にきらきら輝 いてる。まったく快晴、わくわくする気持ちを抑えな がら槍の壁に取り付いた。心は軽快だが、足下を見れ ばやはりキューンとくるものがある。小槍も鋭いエッ ジを見せつけ、とても「♪アルペン躍りを・・・♪」 とはいかない、万人を拒むかの如くそそり立っている 思わず両手に力が入った。前来た時は2時間30分も 費やしたところを30分程度で登ってしまった。 |
![]() 日の出直後の笠ケ岳(まだ陽は直接当たってない) |
![]() 雲海の中に顔を出す笠ケ岳にようやく陽が当たり始める |
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![]() 大喰岳、南岳、穂高をバックにパチッ! |
![]() 大喰岳、中岳、南岳、北穂、前穂と焼岳、乗鞍岳 |
| 360度のパノラマが広がり皆の口から一様に感 嘆の声が聞こえる。東鎌に繋がる大天井、燕、西鎌 に繋がる双六、三俣蓮華、野口五郎、 北鎌尾根、 さらには大喰、中、南、北穂、奥穂、前穂、西穂、 焼、乗鞍、御岳、笠、錫杖等々から、南アルプス、 富士山のシルエットまで見ることができ、正に槍の 穂先にいる実感を味わうことができた。 前回はガスの中だったので僅か5〜6分であった が、ついつい長居をしてしまった30分近くは居た だろうか、後ろ髪をひかれる思いで頂上を後にした。 |
![]() ピラミダルな稜線が美しい常念岳と殺生ヒュッテ |
穂先への登頂が余儀なく朝になってしまったので、下山のコースは西鎌経由から飛騨沢直帰となった。感動をしっかり懐に仕舞い込み、後ろ を振り返りながら の下山。感動で足取りは軽い。目の前には笠ヶ岳(2898m)がすばらしい全容を見せている。雲海に浮ぶ姿も美しいが、どっしりと構えたこの山は岐阜県の独立峰 としては最高峰である貫禄を備えている。惜別の念と、いつかは登るぞと言う挑戦の気概をもって仰ぎ見た。道の脇にはコバイケイソウの群生、ハクサンフウロウ、 クルマユリ、ミヤマキンポウゲ、トリカブトなど、いっぱいの高山植物がよりうれしくさせる。 下山開始後1時間半程でモーニングコーヒーとした。昨年同様小池隊員がはるばる持参した貴重な岩村名物「松浦軒のカステラ」を徐に出せば、外郎も出てくる といった塩梅で色々な味を楽しむことができた。 槍平小屋へ向かう途中には西穂高なども眺望でき、前回とはまた違った景色で魅了してくれたが、道は相変わらず川原の様で大変歩き辛く、また同じ様な状態が ダラダラと続き辟易する。槍平小屋で昼食、穂高平避難小屋で大休憩(かき氷、トマトなど冷たいものが美味かった)をとり、午後4時55分に深山荘に到着した。 疲労困憊とまではいかないが結構疲れが出ており、「やれやれようやく着いた」と言ったところであった。 深山荘名物「蒲田川沿いの露天風呂」は何時来ても最高!身体も心も十分に解れたが、脚の筋肉痛は徐々に出てきた。待望のビール、美味い!最高!飲んで食っ て、喋った。 部屋へ戻り纐纈隊員が撮ったデジカメをテレビに繋ぎ一昨日からの足跡の映像を見ながら、再び蘇ってくる景色に感動しているうちに寝てしまった。エアコンを ガンガンに効かしたところで転寝状態で寝てしまった。エアコンの風も冷たいが同室のメンバーはもっと冷たい、布団ぐらい掛けてくれればいいものを、おかげで 風邪をひいてしまった。 その後布団にもぐって寝たことはいいが、朝起きたら寝汗で浴衣はもちろん布団を通り越して畳まで濡れるぐらいの大汗をかいた。朝食後部屋に戻ると既に布団 は片付けてあったが、あの状態でたたんで仕舞っては乾かないし、カビが生えると思いつつも黙って帰って来てしまった。深山荘さんには申し訳ないことをしたが 後のことは知らない・・・。 |
![]() 槍ヶ岳山荘下から笠ケ岳を望む |
![]() 朝日に輝く西鎌尾根の稜線 |
![]() 飛騨沢から西穂高を望む |